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タイプ別 腰痛予防・改善におすすめのストレッチ6種

腰痛の女性

テレワーク等で腰痛に悩まされている人も増えているのではないでしょうか。

腰痛の原因のひとつとして考えられるのが、股関節周りの筋肉の筋力バランス悪化や柔軟性低下です。
股関節周りの筋肉は骨盤にくっついているため、何かのために一方の筋肉が硬くなってしまうとそちらに引っ張られてしまいます。

このため本来あるべき姿勢から崩れた姿勢になってしまい、その結果が痛みとして出てきます。
今回は、タイプ別に腰痛の予防・改善が期待できるおすすめストレッチをご紹介します。

※無理に行うストレッチはかえって逆効果です。無理のない範囲で行ってください。

1.あなたはどちらのタイプ? 骨盤前傾タイプ or 骨盤後傾タイプ?

一口に「腰痛」といっても、タイプが異なれば効果的なストレッチも変わってきます。
次に挙げるそれぞれのタイプの特徴を参考に、自分がどちらのタイプなのか見ていきましょう。

1-1.骨盤前傾タイプの例

  • お腹を突き出したような姿勢
  • お尻が出ている、いわゆる「出っ尻」と呼ばれる姿勢
  • 上体を反らせた「反り腰」
  • 太ももの前側の筋肉が張りやすい

1-2.骨盤後傾タイプの例

  • 背中が丸い「猫背」
  • 首や肩が前方に出ている
  • よく足を組んで座る
  • 長座体前屈が全然できない

2.ストレッチを行う前に

ハムストリングをストレッチする女性ランナー

ストレッチは漫然と行っても効果は期待できません。ストレッチを行う前に、ストレッチをする際のポイントを押さえておきましょう。

2-1.ストレッチのポイント

  • わずかに張り(不快感)を感じられる程度まで伸ばす。
  • ゆっくり行い、最終姿勢で30秒保つ。
  • 深呼吸しながら行う。
  • できれば毎日、1日の中で複数回行う(最低でも週3回)
  • 朝は体温が低く、1日のうちで最も柔軟性が低いため、無理は禁物。
  • 理想的な実施タイミングは、運動の直後。

3.骨盤前傾タイプの人が伸ばしておきたい筋肉とストレッチ方法

骨盤前傾タイプの人は、骨盤の前傾に関与する筋肉の柔軟性が低下している可能性があります。

ここでは、骨盤前傾に関与する筋肉と、その柔軟性を改善させる代表的なストレッチをご紹介します。

3-1.腸腰筋

腸腰筋のイラスト

「腸腰筋」とは、単独の筋ではなく、腸骨筋、大腰筋、小腰筋の総称です。

腸骨筋は腸骨から、大腰筋は主に腰椎から起始して、骨盤の前面を通り、太ももの付け根に停止します。
※小腰筋は半数以上の人は存在しない特殊な筋のため割愛します。

脚の付け根から前に振る動作(股関節屈曲)が主な働きで、歩行や走行時に使われます。
脚を振る動きだけはなく、脚を固定した状態の腹筋運動(シットアップ)にも使われます。

【腸腰筋のストレッチ】

  1. 立位から、右脚を大きく前方に踏み出します(左脚を後ろに引いてもOKです)。
  2. 右膝はつま先よりも前に出さないようにしながら曲げます。
  3. 両足のつま先は前方に向け、右足の裏全体は床につけます。
  4. 左脚はなるべく伸ばし、膝は床につけないようにします。
  5. 上体を起こし、顔を前方に向け、左股関節にストレッチを感じるまで腰を前方に沈めます。
  6. 後ろ足と同じ側の腕を上にあげると、上体が起きてよりストレッチされます。
  7. 反対側も同様に行います。
腸腰筋のストレッチ

3-2.大腿直筋

大腿四頭筋のイラスト

大腿直筋とは、「大腿四頭筋」と呼ばれる筋の中の一つです。
「大腿四頭筋」は、大腿直筋のほかに中間広筋、内側広筋、外側広筋を含めた総称です。

大腿直筋のみ、股関節と膝関節をまたぐ二関節筋で、腸骨から起始し、膝蓋腱を介して脛骨に停止します。

膝を伸ばす動作(膝関節伸展)、脚を前に振る動作(股関節屈曲)に使われます。

【大腿直筋のストレッチ】

※大腿四頭筋のストレッチとしても有効です。

【硬い人向け】

  1. 横向きに寝ている状態から、左手で左足を持ち、左膝を曲げ左足のかかとをお尻に引き寄せます。
  2. 上体を起こし、顔を前方に向けます。
  3. 反対側も同様に行います。
硬い人向けの大腿直筋(四頭筋)のストレッチ

【強度を上げたい場合】

  1. 横向きに寝ている状態から、肘で上体を支え、下側の脚は股関節、膝関節ともに90度ほど曲げ、前方に踏み出すようにします。
  2. 上側の足を持ち、かかとをお尻に引き寄せて保持します。
  3. 上体を起こし、顔をやや上方に向け、股関節を伸ばします。
  4. 反対側も同様に行います。

※立膝の状態よりも安定してストレッチできるためおすすめです。

大腿直筋(四頭筋)のストレッチ

3-3.脊柱起立筋群

「脊柱起立筋」とは、8種、場合によってはそれ以上の筋を含む、脊柱の動きに関与する背面筋群の総称であり、主に背中を反らす動き(体幹の伸展)に作用します。

【脊柱起立筋群のストレッチ】

背中を丸める動きにより、脊柱起立筋群はストレッチされます。
状況によって下記4パターンを使い分けてみてください。

  1. 椅子に座った状態から深くお辞儀をする。手を床についてしまっても構いません。
  2. 立位から手すりや机等に手をついて上体を前方に曲げる。
  3. 立位から膝を軽く曲げ、両手をふとももについて上体を前方に曲げる。
  4. 立位からかかとを上げずにしゃがみ、上体を前方に傾ける。

※どのパターンでも、起き上がるときは手や膝をうまく使うと楽に起き上がれます。

脊柱起立筋群のストレッチ

4.骨盤後傾タイプが伸ばしておきたい筋肉とストレッチ方法

骨盤後傾タイプの人は、骨盤の後傾に関与する筋肉の柔軟性が低下している可能性があります。

ここでは、骨盤後傾に関与する筋肉と、その柔軟性を改善させる代表的なストレッチをご紹介します。

4-1.ハムストリング(大腿二頭筋・半腱様筋・半膜様筋)

「ハムストリング」とは、太ももの裏にある半腱様筋、半膜様筋、大腿二頭筋の総称です。

半腱様筋、半膜様筋は、骨盤の坐骨より起始し、太もも裏の内側を通って脛骨に停止します。
大腿二頭筋は「長頭」と「短頭」があり、長頭は坐骨から、短頭は大腿骨から起始し、太もも裏の外側を通っていずれも腓骨頭に停止します。

膝を曲げる動き(膝関節屈曲)、股関節を後方に振る動き(股関節伸展)に貢献します。

※ちなみに「ハムストリングス」と呼ばれることがありますが、これは誤りです。英語名は「ハムストリング・マッスルズ」のため、略称も「ハムストリング」となります。

【ハムストリングのストレッチ】

  1. 座って右脚を伸ばし、左足の裏を右膝の内側(もしくは近く)につけます。
  2. 左脚の外側は床につけるか、近づけます。
  3. 背中を曲げず、股関節から上体を前方に倒していきます。
  4. 右膝を曲げないように注意し、右太もも裏にストレッチを感じるまで上体と右脚を近づけます。
  5. 反対側も同様に行います。

※右脚を外旋させない(つま先を外にむけない)ように注意してください。

ハムストリングのストレッチ

4-2.大殿筋

大殿筋とは、単一筋としては人体最大で、お尻を形成する大きな筋です。

寛骨と仙骨の境界付近から起始し、大腿骨に停止します。

主に脚を後方に振る動き(股関節伸展)、脚を外側に捻る動き(股関節外旋)に作用します。

【大殿筋のストレッチ】

<パターン1>

  1. 長座の状態から、右膝のやや上に左足をくるぶしが出る程度の位置で乗せます。
  2. 両手を身体から近い位置で後方につき、左足を乗せたまま右膝を曲げます。
  3. 腰を浮かせて両手で身体を前方に押し出し、脚と胸を近づけます。
  4. 背中が丸まらないように上体を起こし、左のお尻にストレッチを感じるまで脚と胸を近づけていきます。
  5. 反対側も同様に行います。
大殿筋のストレッチ(座位)

<パターン2>

  1. 仰向けの状態から、右膝を曲げ、右膝のやや上に左足をくるぶしが出る程度の位置で乗せます。
  2. 右手を右太ももの後ろに回し、左手は左脚を抱えるようにして右手と組む(もしくは、足を抱える)ようにして脚を胸に近づけます。
  3. 背中が丸まらないよう上体を床につけ、左のお尻にストレッチを感じるまで伸ばします。
  4. 反対側も同様に行います。
大殿筋のストレッチ(仰向け)

4-3.腹筋群

「腹筋」と聞いて思い浮かぶのは、割れている様が印象的な腹直筋かもしれません。

起始・停止は各様々ですが、ざっくりいうと、肋骨と骨盤をつないでいます。

主に、上体の前屈(腹直筋・内外腹斜筋)、体幹の側屈・回旋(内外腹斜筋)、息を吐く、腹圧を高める(腹横筋)といった際に使われます。

【腹筋群のストレッチ】

<硬い人向け(ハーフコブラ)>

  1. うつぶせの状態から、肘をついて上体を起こします。
  2. このとき、肘は肩の真下にくるようにします。
  3. 上体をやや反らせ、顔を前方に向け、腹部にストレッチを感じるまで伸ばします。
腹筋群のストレッチ(硬い人向け)

<強度を上げたい場合(フルコブラ)>

※腰に不安がある人は行わないでください。

  1. うつぶせの状態から、手をついて上体を起こします。
  2. このとき、手は肩の真下にくるようにします。
  3. 上体を反らせ、顔をやや上方に向け、腹部にストレッチを感じるまで伸ばします。
腹筋群のストレッチ

5.まとめ

「腰痛」といってもタイプによって重視すべきストレッチが異なります。
ここではあくまで一例ですが、それぞれのタイプでストレッチしておきたい筋肉・ストレッチをご紹介しました。

同じ筋肉のストレッチでも種類・方法が様々ありますが、自分のタイプに合わせて、自分の身体の状態にあったものを無理せず、ゆっくり、じっくり行ってみてください!

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